
私鉄王国の名脇役(バイプレイヤー)たちの奮闘記。 私鉄王国と呼ばれる関西には、いわゆる5大私鉄にとどまらない魅力的な個性を放つローカル私鉄が数多くある。都市交通網の中で有機的に機能するものもあれば、観光路線としての性格が強いもの、あるいは「地元の足」として地域と共に歴史を重ねてきたものもある。近年の鉄道ブームの中で、沿線住民以外の「ファン」も増えつつある。 一方で、人口減少や都市部への集中、景気の低迷などの背景は、鉄道各社にとっては頭を悩ませる問題だ。特に路線規模の小さいローカル鉄道にとっては深刻で、路線の存廃についての議論は全国各地で巻き起こっており、関西でも例外ではない。 しかし、そうした逆風の中でも、工夫とアイデアで活路を見出し、あの手この手で乗客の確保に努めている鉄道もまた多い。 ローカルジャーナリストの著者ならではの視点と愛情で、全国のローカル鉄道のモデルにもなる関西ローカル私鉄11社の最前線をレポートする。